微地形と集落空間(Village)
微地形と集落空間に関する分類 [齊木(1986年)に若干加筆・修正]
地形分類 微地形分類 分 類 の 概 要 上代の呼称
山地・丘陵地 尾根型緩斜面 尾根上の小起伏面や緩斜面 1.みね
山腹型緩斜面 山腹に見られる緩斜面 2.たをり
山間谷底平野 山間部の谷底に見られる平坦面で沖積錐・段丘面を含む。 上流末端部 3.いりの
山間部の谷底に見られる平坦面で沖積錐・段丘面を含む。 中流部 4.かふち
台地・段丘 中位面・高位面 中央部 : 開析の及んでいない台地・段丘上 6.おほの
周辺部 : 開析谷に挟まれた台地・段丘面 7.をの
末端部 : 台地・段丘崖に沿う場所(台地上) 8.きしの
低位面 氾濫原の中の台地・段丘低位面の上 9.す・かはへ
低  地 微高地 扇状地・自然堤防・砂堆・砂州
海岸・河口平野の砂丘 10.すか
海岸・湖岸の汀線付近で,砂礫,砂堆や砂州で覆われた平坦地から背後の斜面地 11.はまへ
人工地形 氾濫平野の低湿地中の人工的に盛土された地形 12.あはら
境界域 山麓緩斜面 山麓部の扇状地や緩斜面 5.やまへ・すそみ
崖端緩斜面 台地・段丘崖の端に位置する沖積錐状緩斜面
集落空間と微地形について [齊木(1986年)]
  • 「齊木(1986年)」の論文に記載されている「集落空間」の分類は,集落の立地している微地形に注目して決められました。
  • また,同論文ではこれらの微地形を表わす用語を「上代語」に求め,最も適当であると評価しています。
    この上代語について,齊木は「文献的にたどり得る最古の時代(主として推古期以降)の言語や単語のことであり,いわゆる『万葉集』,『風土記』,『和名抄』等の中にあらわれる七世紀から八世紀の奈良時代の言葉を指す」と述べています。
  • 本ページでは,これら12種類の分類の実例を掲載します。
  • 同論文中には,茨城県内の例が掲載されていますが,本ページでは対象を全国に広げることにしました。

集落空間の地形的立地分類ブロックダイヤグラム
「集落空間と微地形」に関連性の高いページ
1.みね型集落[山地・丘陵地 > 尾根型緩斜面]


茨城県常陸太田市下武生集落


岡山県赤磐市加山集落


広島県福山市芋原西集落ほか


宮崎県日之影町下小原集落ほか

2.たをり型集落[山地・丘陵地 > 山腹型緩斜面]


埼玉県皆野町丸山集落ほか


東京都奥多摩町峰集落


徳島県三好市西祖谷村冥地集落ほか


鹿児島県薩摩川内市内川内集落

3.いりの型集落[山地・丘陵地 > 山間谷底平野:上流末端部]


福島県田村市大段田和集落


和歌山県高野町高野山一帯


山口県周南市藤ヶ本集落ほか


高知県香美市菅沢集落ほか

4.かふち型集落[山地・丘陵地 > 山間谷底平野:中流部]


岩手県宮古市中野集落ほか


秋田県三種町不動田集落ほか


三重県熊野市和田集落ほか


山口県山口市御堂原集落ほか

5.やまへ・すそみ型集落[境界域 > 山麓緩斜面・崖端緩斜面]


新潟県小千谷市片貝町


岐阜県養老町南小倉集落など


滋賀県大津市八重戸集落ほか


兵庫県丹波市春日町東中集落

6.おほの型集落[台地・段丘 > 中位面・高位面:非開析谷]


青森県東北町滝沢集落ほか


茨城県土浦市菅谷町


大阪府大阪市天王寺区夕陽丘町ほか


鹿児島県鹿屋市笠野原町ほか

7.をの型集落[台地・段丘 > 中位面・高位面:開析谷中間部]


岩手県久慈市三崎集落ほか


福島県須賀川市岡ノ内集落ほか


千葉県銚子市小浜町ほか


宮崎県宮崎市田野町乙集落

8.きしの型集落[台地・段丘 > 中位面・高位面:末端部]


茨城県鉾田市新里集落


富山県上市町日中集落ほか


岐阜県飛騨市神岡町


奈良県御所市伏見集落ほか

9.す・かはへ型集落[台地・段丘 > 低位面, 低地 > 微高地(扇状地・自然堤防など)]


青森県弘前市大川集落ほか


栃木県真岡市北中里集落ほか


福岡県八女市川犬集落ほか


福岡県糸島市三雲集落ほか

10.すか型集落[低地 > 微高地(砂丘)]


北海道石狩市花川町ほか


新潟県新潟市太夫浜集落ほか


静岡県掛川市菊浜集落ほか


鳥取県鳥取市賀露町北

11.はまへ型集落[低地 > 微高地(砂礫砂堆・砂州)]


茨城県稲敷市和田勝木集落ほか


神奈川県横浜市本牧原集落ほか


和歌山県和歌山市毛見集落ほか


高知県室戸市戎町集落ほか

12.あはら型集落[低地 > 人工盛土地形] 番外.準あはら[人工地盤地形](編集部独自)


北海道釧路市・釧路町


茨城県稲敷市佐原組新田ほか


神奈川県横浜市保土ヶ谷区ほか


岡山県岡山市南区

【記事,引用情報と参考情報】

【記事】

  • 本ページで紹介した4か所の「いりの型集落」に共通する特徴は,全て「中生代」の地層である,という点です。
    1億年ほどの時間が経過した地層なので,侵食や風化によって尾根や山頂がなだらかになると共に,峠の標高も低くなった結果,川の源流域まで人の生活圏が到達したためと思われます。

【引用情報】

【参考情報】

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