和歌山県:高野山の山頂小盆地に拡がる大規模な「いりの型集落」
集落や地形の特徴

山地・丘陵地,山間谷底平野,上流末端部,いりの型集落,集落空間,沖積錐

地形(標高段彩図)とシームレス地質図の三次元イメージ
段彩図上で1回クリックすると,産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

「高野山」は中生代後期白亜紀の「日高川層」という付加帯の混在岩(砂岩泥岩など)で,陸地化の過程で偶然に「山頂緩斜面」が形成されたものでしょう。
高野山全体が「盆地状地形」を呈しており,南に流出する「御殿川(おどがわ)」の流域には,西の「弁天岳」を源流とする「仮称・御殿川小盆地」と,
北東の「揚柳山」を源流とする「仮称・玉川小盆地」の二つがあり,北に流出する「不動谷川」の源流域にも「仮称・不動谷小盆地」が存在します。
御殿川小盆地には「金剛峯寺」や「金堂」など,主要な宗教施設が立ち並び,玉川小盆地には「弘法大師廟」が祀られています。
微地形と集落空間 : いりの型集落(山地・丘陵地 > 山間谷底平野:上流末端部)

  「金堂」や「金剛峯寺」など,主な施設が建設されている「御殿山小盆地」は,「弁天岳」の東斜面を源流域とする「御殿川(本流)」が流れています。
更に,盆地の北側と南側の壁とも言える標高1000m程度の山々からの川水も,この小盆地に流れ込む構造になっています。
宗教都市ともいえる「高野山町」の市街地や密教寺院とその付属施設は,一部の「分水界」ではその境界ギリギリまで建設されています。
この小盆地に対して,北からは「紀の川水系不動谷川」が,西と南西からは「鳴子川」と「内子谷川」が盆地内への侵入を窺っています。

弘法大師廟が祀られている「仮称・玉川小盆地」の場合は,大師廟はそのど真ん中に建設されています。
この小盆地に対しても,西側から「不動谷川」の支流が侵食の手を伸ばしており,このままいけばいずれ「河川争奪」が完成するかもしれません。

【微地形と集落空間】

  • 「齊木(1986)」によると,「いりの(上代語)型集落」とは「山地・丘陵地の山間谷底平野で,深く入り込んだ水系の上流末端部の水源に近いところにある集落」とされています。
  • 編集部では,地形図に記載されている「御殿川小盆地」と「玉川小盆地」内の諸集落は,ほぼ全てこの「いりの型集落」に該当すると考えています。
【引用情報・参考情報】

【引用情報】

【参考情報】

【総合案内ページ】

  • 地形のおはなし > 微地形と集落空間(Village)をご覧ください。
  • このページは「日本の地形千景プラス:高野山の山頂緩斜面」と統合しました。