徳島県:祖谷渓の斜面高くには多くの「たをり型集落」が
集落や地形の特徴

山地・丘陵地,山腹型緩斜面,たをり型集落,集落空間

地形の三次元イメージ

祖谷川の周流部は「V字型」を呈しています。
谷底の部分には適当な平地がほぼ無く,仮にあったとしても洪水時には必ず水の底となったであろうと思われます。
従って,「平家の落人」のように,世の中から隔絶した地に住む必要のある人たちは,やむなく山腹の緩斜面を見つけて住居や畑を作ったのでしょう。
「善徳西」と「今久保」の各集落間はわずか500m程しかありませんが,間を流れる祖谷川のために,高さ150mを超える坂を上り下りする必要がありました。
微地形と集落空間 : たをり型集落(山地・丘陵地 > 山腹型緩斜面)

本図の範囲において,祖谷川の両岸の斜面中腹に集落が点在しています。
最も民家が集まっているのは,祖谷川右岸の「善徳東集落」~「同西集落」にかけての斜面です。
比較的斜面の傾斜が緩いようですが,最も大きな理由は日照時間が長くなる「南~南東向き斜面」なのではと想像します。

【微地形と集落空間】

  • 「齊木(1986)」によると,「たをり(上代語)型集落」とは「山地・丘陵地の山腹型緩斜面にあって,谷線から遠くに離れている集落」とされています。
  • 編集部では,地形図に記載されている「冥地」,「今久保」や「善徳東・同西」などの各集落は,この「たをり型集落」に該当すると考えています。
【参考写真】かずら橋付近からの今久保集落と冥地集落

急斜面の中にわずかに存在する「緩傾斜」の土地を整地して民家が建てられています。
右の冥地集落は三角形の緩斜面で,その上部は凹地となっています。 このような地形は,「地すべり地形」の特徴と言えます。
【参考】日照に関する夏至と冬至の比較

夏至と冬至のほぼ正午ごろの日当たりの状況です。 夏至の頃は,祖谷渓の隅々にまで陽の光が差し込みます。
一方,冬至の頃は,北向き斜面となる「重松集落」~「中尾集落」の間は,ほぼ陽が差し込まないことがわかります。
冬の間,さぞ寒かっただろうと思います。
【引用情報・参考情報】

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