滝の分類について
滝の定義と滝の種類
  • 滝とは,「川を流れている水が,あるところから真っ逆さまに落ちる,というような地形」を指すのが普通だと思いますが,中々そうもいかないらしくて,「エッ!,これも滝なの?」と言うようなものも多く含まれています。
  • 「滝について」では,一つの滝あるいはある程度まとまっている滝に関して,以下のように分類してみました。
    一般的に使われている用語とは異なっているものもありますが,滝に関する複数の紹介ページを作成する都合上,どうしても必要だったのです。

  滝
  ┣ 直瀑: 文字通り,真っ逆さまに滝壺まで落下する滝のことで,落下の途中で岩壁に衝突しない滝のことです。
  ┣ 段瀑: 直滝状の区間もありますが,落下の途中に岩盤(段)があって,水が段に衝突して更に落下する滝のことです。段の数は問いません。
  ┣ 渓流瀑: 傾斜のある河床を,勢いの付いた川水が奔流となって流れ下っている滝を言います。 河床には多くの凹凸があるのが特徴です。
  ┣ 滑滝: スラブ(床板)状になっている岩盤の上を,水が滑るようにして流れている滝を言います。 傾斜は特に問いません。
  ┣ 懸谷瀑(―): 本流の崖の上に滝口があって,本流に直接落下している滝のことです。 直瀑,段瀑あるいは渓流瀑などの種類は問いません。
  ┣ 海岸瀑: 直接海に落下している滝のことです。 直瀑,段瀑あるいは渓流瀑などの種類は問いません。
  ┗ 潜流瀑: 地下水が崖の途中から湧き出して,そのまま滝になっているものです。 直瀑,段瀑あるいは渓流瀑などの種類は問いません。

  • 上記のうち,直瀑~滑滝は,滝の形による分類です。
    川岸瀑と海岸瀑は,滝壺が自分の川に無くて合流後の本流にあるのか,あるいは海にあるのか,という分類なので,滝の形としては直瀑~滑滝のどれかに当てはまります。
    潜流瀑は,地下水がそのまま滝となっているものなので,直瀑となっているケースが多いようです。
  • 一般的に,滝の始まりは「落口」,終わりは「滝壺」と言います。 しかし,後者の場合は,滝壺自体の無い滝もあるので,適当ではないと考え,個々の紹介ページでは,滝口の代わりに「開始点」を用いたり,終わりについては「終了点」と表す場合があります。
直瀑の例

滝の後ろの岩盤に落水が殆ど掛からないでに,「滝壺」に真っすぐ落下するような滝を「直瀑」と言います。
(左)神通川水系高原川の上流に懸かる「平湯大滝」です。 流れ下ってきた溶岩等によって,旧流路が塞がれたためにできた,と言われています。
(右)ハワイ島で最も有名な「虹の滝」です。 背後の岩盤(溶岩)に,大きな空洞ができており,滝壺も巨大です。
段瀑の例

水が落下する途中で岩盤(岩壁)に衝突している滝を「段瀑」と言いますが,厳密的にはさらなる区分が必要かもしれません。
(左)日本を代表する「那智の滝」です。 落下の途中で岩盤に衝突し,それからは岩壁をなぞる様にして落下しています。
(右)これを一つの滝とみるか,二つ以上の滝とみるか,によって分かれますが,現地ではまとめて「マリュドゥの滝」と呼んでいます。
渓流瀑の例

傾斜の付いた凸凹の河床を,水が奔流となって流れ下っている状態を「渓流瀑」と呼びます。
既往資料では,「渓流瀑=滑滝」との記述もありますが,「平滑ノ滝」と「栗又の滝」が同じジャンルでは,ということで分けました。
滑滝の例

写真は,養老渓谷の上流部にある「栗又の滝」です。上総層群の泥岩層の上を,静かに滑り落ちています。
懸谷瀑の例

「懸谷瀑」とは,本流に直接落下している滝のことで,事務局の新造語です(同義語が見つかりません)。
(左)沢登り族の人たちには有名な?「同角沢出合ノ滝」です。 常時,豊富な落水があります。
(右)融雪時と降雨時にのみ落水のある滝の例です。厳密には滝ではないそうですが,このような滝は,かなり多いという印象を持っています。
海岸瀑の例

水面に直接落水しなければ海岸瀑ではない,との観光資料が一部流布されていますが,地形的にはナンセンスでしょう。
知床半島には,この「カシュニの滝」を始め,多くの海岸瀑が存在しています。
潜流瀑の例

知床半島,ウトロからイワウベツ川の間にある溶岩層の隙間から,直接海に落ちる小さな滝の群です。
その意味では,海岸瀑の群れでもあります。
「滝」に関する主な参考文献・資料・ウェブサイト