神奈川県:玄倉川の峡谷群(同角沢,モチコシ沢,小川谷廊下,ザンザ洞二の沢出合)
地形の特徴

峡谷,穿入蛇行,淵,瀑布,懸谷,懸崖瀑

標高段彩図 : 西丹沢・黒倉川流域

「丹沢山」西南斜面の「箒杉沢」,「塔ノ岳」西斜面~「鍋割山」北斜面の「鍋割沢」,「蛭ヶ岳」南斜面の「熊木沢」が合流すると,「玄倉川」となります。
が,沢登り派から言うと,玄倉川の核心部とは,上の地形図に示された範囲の全ての沢,ということになるかもしれません。
なお,「小川谷廊下」の範囲は諸説ありますが,本ページでは「A~B」の範囲といたします。
地形の三次元イメージ : 同角沢・モチコシ沢

「同角沢」と「モチコシ沢」には,本流である「玄倉川」との合流点(出合)の手前に,それぞれ「滝が」存在しています。
本流の「下刻侵食」の速度に,それぞれの支流の下刻侵食の速度が追い付かなかったので,帳尻合わせのための滝ができた,と説明されています。

「同角沢」には,図示したほかにも数か所の小さな滝が存在します。 資料によって,滝の落差が異なりますが,おおむね,以下のようになっています。
①同角沢出合ノ滝[懸崖瀑]:10m~20m, ②不動ノ滝:20m~30m, ③遺言棚:40m~50m。
また,「モチコシ沢」の出会いにも「大滝」と称する「段瀑」があります。

(左)「モチコシ沢」~「裸山沢」の河床縦断図です。 これより,「大滝」の落差は約62mと推定されました。 丹沢では,高い方の滝になります。
(右)「同角沢」の「出合ノ滝」です。 滝壺が本流の「玄倉川」になっているので,「懸崖瀑」の典型例と言えるでしょう。
河床縦断図は,5mDEMあるいは10mDEMを利用して推定したものです。
現場検証などを行っていないため,確定的ではありません。目安とお考えください
地形の三次元イメージ : 小川谷廊下

「小川谷廊下(図,A~B)」は,沢登りをする際に渡渉が多い渓谷で有名です。

「小川谷廊下」の核心部です。 高い崖に挟まれ,滝,瀬や淵が連続する「函」と呼ばれる地形です。
地形の三次元イメージ : ザンザ洞二の沢出合

「ザンザ洞」の支流である「二ノ沢」は「懸谷」です。 しかし,ザンザ洞自体もこの場所で滝となっている,という珍しい地形です。
同類の地形は「羽衣の滝」にも見られます。

日本登山大系[4]には,ザンザ洞には20mの滝が,二ノ沢には15mの滝が掛かっている,との記述があります。
しかし,2.5万相当の電子地形図(地図タイル)には,滝の記号がありません。 「段瀑」か傾斜の急な「渓流瀑」かもしれません。
【引用情報・参考情報など】

【引用情報】

【参考情報】

  • 日本の地形レッドデータブック 第2集 -保存すべき地形-,p.42,古今書院刊,2002年3月23日
  • 日本登山大系「4」 東京近郊の山,pp.85-94,白水社刊,1981年6月5日
  • 日本の地質百選 > 丹沢山地の変成岩
  • 地形のおはなし > 滝の分類について  [事務局による平易な解説と本ウェブサイトでのケーススタディです。]

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