富山県:立山,室堂平の地獄谷と爆裂火口群
地形の特徴

活火山,爆裂火口,噴気孔,噴気地帯

地形と地質の三次元イメージ : 室堂平
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの 5万の1地質図幅「立山」(出典,下記)を表示します。

種々の資料をまとめると,室堂平では「ミクリガ池」,「ミドリガ池」,「りんどう池」,「血の池」一帯や「玉殿岩屋」周辺部
等に見られる「凹地(窪地)」の大部分が「火口(爆裂火口)」と評価されています。
一方,「称名川」の侵食域では,「山崎カール」などに代表される,「氷河」由来の岩屑が広範囲に堆積しています。
まとめると,基本的に室堂平は火山性地形なのですが,氷河によって運ばれてきた堆積物が生んだ地形が混在しています。
【参考図】 爆裂火口群の推定位置
本図は国土地理院の地理院タイルと,中野(2000)の図2を合成し,地形図の色調を変更しました。
  • 「ミクリガ池」,「ミドリガ池」,「血の池」と「りんどう池」の各爆裂火口は,細長い楕円形を呈しており,更にその長径方向がほぼ北西~南東方向に延びている,という特徴があります。
  • これに対し,地獄谷はこれらの爆裂火口群の方向に対して,ほぼ直角方向の北東~南西方向に延びています。
  • 室堂平の基盤岩は,中生代の前期~中期ジュラ紀(約2億年前~約1.6億年前)の花崗岩と花崗閃緑岩です。 このころの立山は,ユーラシア大陸の東端部にあり,その後長い年月をかけて現在の位置まで移動してきたのです。
  • これに対し,立山火山は,第四紀完新世になってから,具体的には約22万年前頃からの活動なので,現在の場所に落ち着いてからの活動,と言うことになります。
【地上写真】 地獄谷(噴気地帯)

1836年,「地獄谷」で噴火が起きました。 従って,立山は「活火山」なのです。 現在は,火山ガスを噴き出す「噴気地帯」となっています。
また,江戸時代には火薬の原料にするために,この場所で「硫黄」を採取していました。
写真に写っている黒っぽい部分は,硫黄が酸化したものでしょう。

地獄谷の地表は白っぽい色をしています。 これは,噴気や熱水に含まれる「硫黄」による酸化変質により,溶脱化がおこり岩石が白化したからです。
当然,元々の性質や強度は失われ,岩塊は細分化して粘土へと変化してしまうのです。
注 最近は,火山ガスの濃度が高いため,地獄谷への立ち入りは禁止されています。
【地上写真】 室堂平の(爆裂)火口群

「ミクリガ池」は,水蒸気爆発によってできた「爆裂火口」に天水などが溜った「火口湖」です。 水深は約15mである,という説明板が現地に立っています。
この火口は,「立山室堂山荘」の方に延びており,その状況は最下段・右の写真に収めました

「ミドリガ池」は,楕円形をした「爆裂火口」です。 火口自体も細長くなっており,写真(左)のように上流部にも小さな池が存在しています。
一方,写真(右)のように,池の最下流部から少量の水が溢れ出ています。 未確認ですが,「ミクリガ池」に注いでいると思われます。

「血の池」は,「エンマ台」の東方に延びる細長い凹地の底にあります。 一見すると,氷河由来の谷のようにも思われますが,火口とのことです。
特徴的なのは,池が赤いことです。 赤い部分が一様ではないことから,池の底の泥に含まれる「酸化鉄」によって,赤くなっているのでしょう。

(左)「りんどう池」も「爆裂火口」とされています。 周辺の地面が黒くなっているのは,火山ガスに含まれる硫黄分による変質,と思われます。
(右)「ミクリガ池」から延びる火口跡を上流側から撮影しました。 川の侵食にしては幅が広すぎることから,火口と評価されたようです。
【引用情報と参考情報】

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】