ボーリングデータの測地系タグに間違った値を記載していると思われる事例
CaseA_01

出典:国土地盤情報検索サイト-KuniJiban-  バイパスのための調査なのにバイパス上に孔口が無い。

測地系の変換処理による目視確認結果 。

【問題点】

  • 図(A): 調査件名が「東広島バイパス・・・」とあるにも関わらず,孔口の位置が明らかにバイパスから離れています。
  • 図(B): ボーリングデータを確認すると,測地系は「1:新測地系=世界測地系」となっていて,一件不都合は無さそうでした。

【試行・検討】

  • 測地系は「1」と記載されていましたが,実際には「0:旧日本測地系」であったのではと考え,測地系の変換ウェブサイト を利用してみると,左図のように各孔口の位置は概ねバイパスと重なったので,推測が正しかったことが裏付けられました。

【提言】

  • 「<測地系>0</測地系>」と記載すべきところ「<測地系>1</測地系>」と記載されているケースです。
  • このようなケースは多くはないでしょうが,全くないとも言い切れません。 少しでもおかしいと感じたときには,様々な状況証拠を収集整理して,正しい位置を推定してください。
  • また,疑問が解けなかった場合には,当該データは使用しない方向で処置すべでしょう。

【最新の状況】

  • 2024年10月中旬現在,従前どおり公開されています。
CaseA_02

出典:「国土地盤情報検索サイト-KuniJiban-」

【問題点】

  • 図(A): 「石神」地区のボーリングマーカーは,国道から北西方向にシフトしています。
  • 図(A): 「中川辺駅」周辺のマーカーは,国道から南東方向にシフトしています。
  • 両地区のシフトの方角は180゜異なっているが,シフトの距離そのもの(絶対距離)は同じであると想定されました。

【試行・検討】

  • 図(B): 「測地系の変換ウェブサイト」で「新測地系⇒旧測地系」への変換処理 を行ってみたところ,道路上に移動しました(通常,この変換処理を行うと南東方向へシフトします)。
  • 図(C): こちらの場合,シフトの方角が(図B)の正反対であるため,元々新測地系であった座標値を旧測地系と誤認し,「旧測地系⇒新測地系」の変換を行ってしまったと推測して処理してみたところ,道路上に移動しました

【最新の状況】

  • 2024年10月中旬現在,従前どおり公開されています。

「測地系の変換ウェブサイト」を利用して,事務局が変換処理した結果です。
(B): 掘削地点のマーカーが,道路の北側にシフトしています。 通常の状態では考えられないようなミスが発生していたように思われます。
(C): 掘削地点のマーカーが道,路の南側にシフトしている。 測地系を単純に取り違えたミスであることが判りますね。
CaseA_03

 国土地盤情報検索サイト-KuniJiban- 
(A)詳細な検索画面。 28本のヒットがありました。
(B)全28箇所の掘削地点だが,14個づつのグループに分かれています。

【問題点】

  • 国土地盤情報検索サイト-KuniJiban-で岡山県内を閲覧していたところ,類似する孔口配置のパターンを示す二つのグループを発見しました。
  • 調査名を確認し,図(A)に示すように「KuniJibanの詳細検索」で「岡山西バイパス(1工区)地質調査業務」を検索すると,28孔が抽出されました。
  • この28孔は,図(B)のように,14箇所×2のグループに別れていました。

【試行・検討】

  • 電子柱状図や交換用ボーリングデータを開いてみると,同じ調査ボーリングが重複して登録されていることが判明しました。
  • グループB[図(C),図(D)]: ボーリングデータの座標値が「旧座標系」であるにも関わらず,測地系は「新日本測地系」として登録されていました。
  • グループA[図(E),図(F)]: ボーリングデータの座標値および測地系共「旧世界測地系」として登録されていました。
  • 「グループA」は正しく,「グループB」は間違っていると推定できます。

【提言】

  • どのような経緯があって,一つの調査結果が二重に登録されたかは不明です。
  • KuniJibanに登録する際に,二重登録かどうか,などを十分に確認しないまま登録されたケースがほかにもあるのではないか,という疑問が払拭できないため,二次利用者は位置情報に十分に留意していただきたい。

【さらなる問題点】

  • 二重に登録されたボーリングデータは,どちらも同じ記載内容になっているはずですが,このケースでは異なっている記載内容が別途見つかったのです。
  • 詳しくは,以下に記載します。

【最新の状況】

  • 2024年10月中旬現在,従前どおり公開されています。

出典:国土地盤情報検索サイト-KuniJiban-。 注: 測地系は「1(世界測地系)」です。
メタデータ,ボーリングデータ及び電子柱状図の位置情報はほぼ同じです。 微小な差は,「度分秒」➡「度」表示への変換誤差でしょう。

出典:国土地盤情報検索サイト-KuniJiban-。 注:測地系は「0(日本測地系)」です。
ボーリングデータ及び電子柱状図の位置情報は同じですが,メタデータは新測地系に変換処理された値と思われます。
本事例では,その他にも気になることが,・・・。

出典: 国土地盤情報検索サイト-KuniJiban-。 
「グループA」の柱状図の記事欄に比べ,「グループB」の柱状図では,記事欄の記載内容が明らかに省略されています。
「グループB」は,データベースに登録する際,紙の柱状図をもとにして手入力しましたが,つい省略してしまった,とつい想像してしまいます。
CaseA_04

       (左)出典:国土地盤情報検索サイト-KuniJiban-       (右)「測地系の変換ウェブサイト」を利用して事務局が変換処理した結果。

【問題点】

  • 図(A)の掘削地点を示すマーカーが,バイパスから450m程度南東方向にシフトしています。
  • 方向と距離から,測地系の取り違えが発生していることが容易に推測できます。

【試行・検討】

  • 測地系の変換ウェブサイトを利用して,旧測地系の座標値を新測地系の座標に変換したところ,図(B)のように,各孔口の位置は北西方向に移動し,概ねバイパスに重なりました。

【最新の状況】

  • 2024年10月中旬現在,従前どおり公開されています。
CaseA_05

図(A) : 出典 ; (公社)地盤工学会九州支部「九州地盤情報共有データベース2005」
図(B) : 筆者が「測地系の変換ウェブサイト」を利用して変換処理した結果。

【問題点】

  • 図(A)の掘削地点を示すマーカーが,バイパスから450m程度南東方向にシフトしています。
  • 方向と距離から,測地系の取り違えが発生していることが容易に推測できます。

【試行・検討】

  • 測地系の変換ウェブサイトを利用して,旧測地系の座標値を新測地系の座標に変換したところ,図(B)のように,各孔口の位置は北西方向に移動し,概ね都市高速環状線に重なりました。

【最新の現況】

  • 地盤工学会九州支部「九州地盤情報共有データベース2018年版」では,修正されています。(右図)
CaseA_06

図(A):  出典;: (公社)地盤工学会九州支部「九州地盤情報共有データベース2012」
図(B):  筆者が「測地系の変換ウェブサイト」を利用して変換処理した結果。

【問題点】

  • 図(A)の掘削地点を示すマーカーが,バイパスから450m程度南東方向にシフトしています。
  • 方向と距離から,測地系の取り違えが発生していることが容易に推測できます。

【試行・検討】

  • 測地系の変換ウェブサイトを利用して,旧測地系の座標値を新測地系の座標に変換したところ,図(B)のように,各孔口の位置は北西方向に移動し,概ね都市高速環状線に重ななりました。

【最新の現況】

  • 地盤工学会九州支部「九州地盤情報共有データベース2018年版」では,修正されています。(右図)