岐阜県・長野県:乗鞍火山
地形の特徴

・活火山,溶岩流,火砕流,山体崩壊,火口湖,火山堰止湖

地形と地質の三次元イメージ(産総研・5万分の1地質図幅「乗鞍岳」)
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「5万分の1地質図幅「乗鞍岳」(出典,下記)」を表示します。

「乗鞍火山」は,複数の火山体の集まりです。現在,山頂部や溶岩として確認できる火山体は,新生代第四紀完新世の「新期火山体」のみです。
地形上の特徴としては,山上に多くの湖沼が分布していることです。 成因的にみた場合,
「権現池」と「亀ヶ池」は「火口湖」で,「五ノ池」,「不消池(きえずいけ)」,「鶴ヶ池」,「大丹生池」などは「火山堰止湖」です。
地形の三次元イメージ : 乗鞍火山概観

各斜面共に,溶岩が流れた跡がくっきりと残っています。 溶岩の種類は「安山岩」ないしは「デイサイト」なので,比較的白っぽい色をしています。
新期火山体のうち,「烏帽子岳火山体(烏帽子溶岩)」がもっとも初期に活動しましたが,山体崩壊と侵食により原形を留めていません。
地形の三次元イメージ : 烏帽子岳西斜面の山体崩壊と火山堰止湖

新期火山体の中でも最も古い「烏帽子岳火山体」は,活動終了後に,2箇所で「山体崩壊」を起こしました。
一つ目は北西斜面で起きました。 極めて規模の大きな崩壊でしたが,その後に「四ッ岳火山体」が活動したので,崩壊地形はよくわかりません。
二つ目は西斜面で起きました。そのまま時間が経過しているので,当時の様子がよくわかります。
「大丹生池」とその背後の大きな凹地は,火口ではなく「烏帽子溶岩」と「恵比須溶岩」に囲まれたためにできたものです。
地形の三次元イメージ : 複雑な流れ方をした「恵比須岳溶岩」

「恵比須溶岩」の特徴として,ほぼ直線状の凹地が続いていることです。
山頂から末端部までほぼ直線状に続く「線状凹地」の他に,大丹生池近くの緩やかなカーブを描く線状凹地の2種類があります。
溶岩流の噴出に時差があるため,このような線状凹地が生まれたのだろうと想像していますが,正確な原因は全くわかりません。
地形の三次元イメージ : 最も新しい「岩井谷溶岩」

「権現池火山体」の噴火口から西側に流れ出たのが「岩井谷溶岩」です。 資料によると,今から約9千年前とのことです。
そのためでしょうか,火口湖が残っていますが,カルデラを形成することもなく,現在は休止中となっています。
【地上写真】

鶴ヶ池近くからの烏帽子岳。 左側,ガスの湧いているところが,山体崩壊した斜面です。
【記事・引用情報・参考情報】

【記事】

  • 「乗鞍火山」は,活火山に分類されていますが,最終活動は約2000年前頃とされており,有史以後に限ると地震以外にありません。
  • 「常時観測火山」ですが,噴気地帯なども無いので,平穏な火山と言えるでしょう。
  • 乗鞍火山で,最も古く活動したのは,新生代第四紀中期更新世(約125万年前頃)の「千町火山体」です。
    しかし,活動後に長期間休止していたこともあって,侵食などで火山体は殆ど失われているようです。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】