長野県:伊那盆地の天竜川右岸
地形の特徴

河成段丘(河岸段丘),新期断層変位地形,低断層崖,撓曲崖

地形の三次元イメージ : 伊那谷・北部(飯島町,与田切川周辺)
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。国土地理院の「都市圏活断層図(出典,下記)」を表示します。

「伊那本郷駅」のすぐ後ろは「崖」です。「与田切川」が形成した複数の「段丘面」の境界である「段丘崖」
のように見えますが,これは「田切断層」が「上位段丘面」を変形させた結果なのです。
すなわち,田切断層の左右共に「上位段丘面」と言うことになります。
地形の三次元イメージ : 伊那谷・南部(松川町・高森町,大島川付近)
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「松川町・高森町」の「大沢川」付近にも,直線状に続く「崖」があります。「段丘崖?」と記載した部分です。
「都市圏活断層図」からは,「上位段丘面」と「下位段丘面」との境界である「段丘崖」と読めますが,
「活断層データベース」からは,この段差は「飯田活動セグメント」であると読むことができます。
以上から,この付近では,決着がついていない「崖」が存在するようです。
なお,中央高速道付近の「崖」は,木曽山脈山麓断層による「断層崖」で間違いはなさそうです。
【記事引用情報と参考情報】

【記事】

  • 1000万年程前まで,伊那盆地周辺は海の底でした。 後に,今の伊豆半島が本州と衝突し,その影響で「赤石山脈(南アルプス)」が隆起しました。
  • それにより,伊那盆地周辺もつられて陸地化した結果,天竜川の原形ができたと考えられています。
  • 200万年ほど前,西側の「木曽山脈(中央アルプス)」が隆起し始め,東の赤石山脈との間に,徐々に盆地が形成されました。 伊那盆地の原形です。
  • 隆起が続く木曽山脈では,土石流が頻繁に発生し,盆地内に広い扇状地が形成されました。 隆起により,扇状地は離水して「段丘」となりました。
  • 木曽山脈の隆起運動に伴う岩盤のひずみを開放するために,「木曽山脈山麓断層」,「田切断層」などが生じました。
  • 扇状地・段丘面の形成時期よりも,断層運動の方が新しい場合には,「段丘崖」そっくりの「断層崖」が形成されている場所があります。

【引用情報】

【参考情報】

  • 参考図書:日本の地形レッドデータブック 第1集 新装版 -危機にある地形-,p.96,古今書院刊,2000年12月8日
  • 環境省 > 平成17年度硝酸性窒素総合対策モデル事業(長野県豊丘村における硝酸性窒素対策検討調査)報告書 > 伊那谷の地質構造発達史
  • 上田ケーブルテレビジョン > 伊那谷断層系(その2)田切断層

【お断り】