地盤リスク情報・試験公開サイト 参照:高知「ユビキタス(防災立国)」実証事業
このウェブサイトについて
このウェブサイトは,地盤に内在する様々なリスク情報を電子地図上で検索するための「試験公開サイト」です。  以下の特徴があります。
 1. 地盤リスク情報そのものは架空のものです。 利用者にとって理解しやすい表示形式・画面構成であるか,などを評価するために開設しています。
 2. ボーリング柱状図,土質試験結果一覧表は事実情報です。 実際に公開されていたウェブサイトから引用しています。
 3. オリジナルのウェブサイトは,「高知「ユビキタス(防災立国)」実証事業地盤情報データベース」として,2011年3月1日から2013年3月31日まで開設されていました。
ボーリングデータに関する注記事項
1.地質検索の場合,しらす,まさ,ぼら,ほや は ひらがな で入力して下さい。
2.キーワード検索: 対象は,ボーリング名,業務件名,事業者,調査者,調査担当者と調査終了期日です。
 キーワードは2個以内で,半角のスペースで分離します。
3.旧ユビキタス実証事業は,高知市内のみが対象でしたが,ここで公開するボーリングデータは,ボーリングマーカー凡例に示す市と町の各域内に拡大されています)。
オーバーレイコンテンツ/地震応答シミュレーションに関する注記事項
1.背景図(GSIマップ),色別標高図(凡例)国土画像情報 などは,国土地理院の 地理院タイル を利用しています。 
2.地質図は,(国研)産業技術総合研究所の20万分の1日本シームレス地質図(地図タイル)を利用しています。
 地質図が表示されている時,クリックすると 産総研の地質説明文を表示します。
3.浸水想定区域図は,国土数値情報の公開データを使用して,事務局が地図タイルを作成しました。
4.土砂災害警戒区域図は,国土数値情報の公開データを使用して,事務局が地図タイルを作成しました。
5.想定南海トラフ巨大地震津波浸水区域図は,高知県提供データから,事務局が地図タイルを作成しました。
6.地震応答シミュレーションについては下記を参照してください
本実証で行った地震動(地震波形)の予測方法
☆地表の地震動(波形)を予測するには,「震源特性」,「伝達特性(伝播経路特性)」及び「サイト増幅特性(深部地盤サイト増幅特性,浅部地盤サイト増幅特性)」を考慮する必要があります。
☆地表地震動(波形) = 震源特性 × 伝達特性 × (深部×浅部)サイト増幅特性  で計算されます。
☆高知県からは,「想定南海地震(高知県モデル:M8.4相当)」での工学的基盤層上面の解放基盤波形を借用しましたが,その波形は,300m/sのS波速度をもつ地層を工学的基盤面と定義されて
 いましたので,本実証においては「浅部サイト増幅特性」のみを独自にモデル化すると共に,独自に地震応答計算を行いました。
 よって,震源特性, 伝達特性及び更新世以深の深部サイト増幅特性は,全て高知県モデルを「情報資源として再利用」しています。
工学的基盤波の特徴

工学的基盤層の模擬地震動(上:アスペリティ3個,下:同8個)             工学的基盤層の模擬地震動のスペクトル
☆高知県モデルには,アスペリティ3個の「モデル-Ⅰ」と,同8個の「モデル-Ⅱ」の2種類が存在します。
 本実証において比較・検討した結果,地表加速度で大きな振幅値を示したアスペリティ3個の「モデルⅠ」を採用しました。
☆想定南海地震の地震動波形は,「統計的グリーン関数法」によって計算されています。
☆その主要な周波数帯は,上右図のように,両モデル共 0.1Hz~10Hz でした。
☆高知県から借用した模擬地震動そのものは,東西・南北の各成分波を合成した水平動加速度波形です。
☆その計算メッシュは,「旧座標系」の5次メッシュ(通称250mメッシュ)であったため,新座標系との対比表を作成しました。
表層地盤の地震応答計算
☆工学的基盤面(Vs=300m/s)より上位地盤(浅層サイト増幅特性)の地震応答計算は,「等価線形重複反射計算法」を,鉛直1次元地盤柱状体モデルに適用して実施しました。
☆具体的には,吉田望による「DynEQ(等価線形地震応答解析プログラム)」をカスタマイズして使用しています。
☆1次元地盤柱状体モデルの区画は「6次地図メッシュ(通称125mメッシュ)」です。
☆入力波は5次メッシュ(通称250mメッシュ)であるため,表層で隣接する4個の6次メッシュに対して,1波形を共通して使用しています。
表層地盤のモデル化の手順

県庁付近の表層地盤の3次元モデル(地表面表示)                         同じく(地表面透視)
☆本実証で収集した高知県と高知市のボーリングデータを,国土交通省の電子納品要領案に準拠してXMLフォーマットで電子化しました。
☆XMLである国土交通省のボーリングデータと一緒に地盤モデル解析ツールに入力し,3次メッシュ(通称1kmメッシュ)ごとの3D地盤モデルを作成しました。
☆解析ツールで岩盤面の空間分布を「3次元Bスプライン関数法」により推定し,その結果を「鉛直1次表層地盤モデルの作成時に利用しました。
鉛直1次元地盤柱状体モデルと地盤の動的物性値
☆地震波が工学的基盤面から表層地盤に入射すると,表層地盤の物性により地震波の振幅が増幅されたり,周波数特性が大きく変化することがあります。
☆鉛直1次元地盤柱状モデルとは,下左図のように表層地盤を複数の角柱で代表させたものであって,前述した振幅の増幅度や周波数変化の程度を予測計算する際に作成されることが多い,
 という特徴があります。
 ① 鉛直1次元地盤柱状モデルは,6次地図メッシュごとに作成しました。
 ② 1つのメッシュの中に存在する公共事業等の調査ボーリングで,最も調査深度が深くかつ調査項目の多いものを1箇所選択し,その調査ボーリングデータを参照して各地層の代表値
  (平均値)を求めました。
 ③ 表層地盤の地震応答計算を目的とした地層区分を行うためには,S波速度値の深度分布を把握する必要がありましたが,P-S検層の結果が極めて少ないことから,標準貫入試験結果
  であるN値の深度分布から換算して求めました。
 ④ 湿潤密度は,完新世の有機質土と有機質シルトについては,湿潤密度の値を「0.2」低下させました。
 ⑤ 表土・埋土・盛土は「砂質土」とし, N値50以下の軟岩は洪積土砂として扱いました。目安として,泥質岩は粘性土,砂岩や蛇紋岩は砂質土として扱いました。
 ⑥ 減衰常数は,完新統および更新統に関係なく,粘性土は0.03~0.05,砂質土は0.03,砂礫(礫)は0.02としました。
 ⑦ 中央防災会議で言う工学的基盤面はVS=700/s相当層ですが,基盤波の条件から,N値50以上の軟岩,及び更新世の砂礫層を一義的に工学的基盤面として扱っています。
表層の代表的な地盤特性
動的変形曲線

☆表層地盤の地震波応答計算に用いる動的変形曲線は,中央防災会議「東南海,南海地震等に関する専門調査会」(第5回)[東海地震に関する専門調査会],土木学会岩盤力学委員会(岩盤上の大型構造物基礎,平成10年,44p)などを参考にして,右図 に示すグラフを作成しました。

☆工学的基盤層(Vs=300m/s)については線形特性としました。.
液状化判定方法
① 「道路橋示方書・同解説(Ⅴ 耐震設計編)2002.3」 に準拠した「PL法」を採用しました。
② 対象地盤は,地表から20m以内の飽和土層です。
③ 想定南海地震時の液状化判定が目的であるため,地震動の種類は「タイプⅠ(プレート境界型大規模地震)」のみです。
④ 地下水位のうち,地盤標高が0m以下については,安全側を見て地表まで飽和していると見なしました。
⑤ ボーリングデータの孔内水位と標高の関係を参考にして, 水位 = 0.1×標高 - 0.2 の関係式を誘導しました。
⑥ 礫質土のFCは0%,砂質土の礫質土のFCは10%と仮定しました。
⑦ 平均粒径D50が10mm以下の土層を対象とし,礫質土のD50は2mmと仮定しました。
⑧ 本実証では,DynEQにより地表の加速度を計算し,更に気象庁の方法により計測震度を計算しているため,童・山崎(1996)による計測震度-SI値の関係及び,安田ら(1993)による
 せん断応力比-SI値の関係を用いて,地震時せん断応力比(L)の深度分布を計算しました。
PL値 液 状 化 ラ ン ク
PL > 15.0 液状化発生の可能性が高い
15.0 ≧ PL > 5.0 液状化発生の可能性がある
5.0 ≧ PL > 0.0 液状化発生の可能性が低い
PL = 0.0 液状化発生の可能性が極めて低い
想定南海地震動と液状化判定結果の地図上での表現について
☆予測計算に使用した地盤モデルは,6次メッシュ(通称:125mメッシュ)単位で想定した「鉛直1次元地盤柱状体モデル」ですが,予測・判定結果を地図上に表す場合については,6次
 メッシュの中心座標での値としました。
☆ボーリングデータが無いなどの理由で,6次メッシュの地盤モデルが作成できなかったケースが存在するため,本Webサイトでは,予測結果を「2次元スプライン関数で空間的に平滑化
 して表現しました。
☆実際に予測計算したメッシュについては,以下のような様式で提供しています。
 当該ページの「予測結果の詳細」にチェックし,表示された6次メッシュの枠内をクリックして下さい。
 なお,以下の「地震動予測・液状化判定結果の例と留意点」を十分ご理解下さるようお願いします。
地震動予測・液状化判定結果の例と留意点

注1 工学基盤層に付けた「O」: 模擬地震波(解放基盤波:2E)を,この層に入射させたという意味です。           
           貸与されている模擬地震波は,Vs=300m/s層上面の解放基盤波(2E)で,東西方向と南北方向の各成分波が合成されています。
注2 表層地盤の伝達関数: 「計算上の地表複合波のスペクトル」/「計算上の基盤複合波のスペクトル」で計算しました。
斜面の崩壊危険度判定方法
① 解析対象区域は,高知県が指定した「土砂災害警戒区域(急傾斜崩壊地)」です。
② 地震による斜面崩壊の危険度判定方法は,「地震時の急傾斜地崩壊危険箇所危険度評価マニュアル(案):国土技術政策総合研究所資料第511号,平成21年1月」に準拠しました。
③ 別途,国土地理院から無償で公開されている「10mDEM(デジタル標高値)」を用意し,各警戒区域内に存在する全ての標高値をGISツールを使用して抽出し,計算により「最大斜面
 勾配」並びに「最小曲率」を求めました。
④ 以上の各値と上記で予測した「最大地震加速度」を使用して,以下の式に代入して判別得点 F を算出しました。
    F =0.075I-8.9c + 0.0056A -3.2   ここで, F :判別得点, I :斜面勾配(°), c :平均曲率, A :最大加速度(gal = cm/s^2)
 なお,下表の表現(-)については,「どちらとも言えない」としました。
危 険 度 表  現 判別得点
低 い 崩壊が起こりにくい -3.0~-1.5
崩壊がやや起こりにくい -1.5~-0.5
-0.5~ 0.5
崩壊がやや起こりやすい 0.5~ 1.0
高 い 崩壊が起こりやすい 1.0~ 10