2010年6月 鹿児島県南大隅町,船石川支川の深層崩壊と土石流
南大隅町 根占地区の三次元地形イメージ
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  • 2010年,鹿児島県南大隅町の「船石川②(右支川・左俣)」の源頭部で「深層崩壊」が発生し,それが引き金となって「土石流」も発生しました。
  • 特徴的なことは,深層崩壊と土石流は単発ではなく,7月4日18時頃から8日11時30分頃にかけて,合計7回も発生しました。
  • しかし,崩壊直前の集中豪雨は発生しておらず,10日以上も前から降り続いた「累積雨量」が原因と想定されています
  • 崩壊した場所は,「阿多火砕流」が厚く堆積している台地の端にある断崖絶壁の最上部です。
深層崩壊と土石流の概況
  • 「地質凡例」によると,阿多火砕流は 溶結した上位層(溶結凝灰岩層) と,非溶結の下位層(しらす[シラス]層) に分かれます。
  • 地下水の透水性からみると,溶結している方が空隙が多いのに対し,非溶結部は粘土層のように難透水層となっています
  • 溶結部と非溶結部の境界から噴き出す(湧き出す)地下水によって非溶結部のしらすが流され,支えを失った上位の溶結凝灰岩が崩壊した,と想定されています(キャップロック型崩壊)。
  
降水量・土壌雨量指数について

・累積雨量:1,036mm(6/17~7/8)     ・最大時間雨量:107mm (6/19 08:00)
・最大土壌雨量指数:242 (6/19 09:00)  ・土石流発生時刻:7月4日(18:00,1回目)
  • 特徴 土壌雨量指数が最大値を示したのが6月19日,崩壊が発生したのが7月4日なので,その差は実に約14日間となります。
  • すなわち,この土砂災害の特徴は,崩壊直前の降水量ではなく,10日以上も前から 間歇的に降った「累積雨量」が原因と想定されることです。
  • 地表に降った雨が地中に浸透し,難透水性の「しらす層」の上部を水平に移動して,崖まで達するのに10日以上も掛かった,と考えても矛盾は無さそうです。
【記事・引用情報・参考情報】

【記事】

  • 「船石川」には支川が二つあり,右股(左支川)を「船石川①」,左俣(右支川)を「船石川②」と称しています。
  • このため,国総研・土研の報告書に挿入されている図では,「船石川②」を右支川と称しています。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】

  • 本ページは,従来サイト「土砂災害と雨量について 2010年6月 鹿児島県南大隅町 根占 舟石川流域 深層崩壊と土石流の例」として公開していたページを,改題の上,最新の知見を基にして内容を更新しました。