クラシンジョウの壕;八重瀬町具志頭
写真撮影:2016年11月

琉球石灰岩の谷間にクラシンジョウの壕がありました。

壕の内部です。 正面の石垣はいわゆる弾よけで,その奥に防空壕としての機能を持たせた部屋があります。
右の一段下がった暗がりは,もともと使われていた御嶽(うたき)でしょうか。

正面の石積みの間に構築した地下壕があります。 この壕は、元々は具志頭村民のお墓だったろうと思います。。

(左)道路からコンクリート製の階段を上ったところです。 「銃眼」ではないか、と想像します。
(右)岩の割れ目です。 煤がついていますが,御嶽(うたき)だったのか,火炎放射の跡なのかわかりません。

壕のすぐ近くにある具志頭の海岸。 1945年6月4日,この近くの港川は米軍に占領されました。
記事

・クラシンジョウの壕は、八重瀬町具志頭城の直下に存在する鍾乳洞を利用して構築した壕です。
 地勢的に見て、米軍が港川港付近に上陸する際の陣地壕、あるいは監視壕として構築した模様です。
 しかし,地元住民が避難したという情報はなさそうです。

・本壕は、(NPO)自然体験学校(080-4500-0170)が管理しており、予約をすればガイド付きで入壕できます(有料)。

・修学旅行(高等学校)の平和教育受け入れ壕です。

地下壕の概要

・規 模:全長約150m
・形 態:鍾乳洞を利用して構築
・使用者:陸軍(武部隊,山部隊,球部隊)
・遺 品:
・土 質:琉球石灰岩

関連情報

① 「クラシンジョウの壕」,沖縄の戦跡ブック『ガマ』,pp.88,沖縄県高教組教育資料センター編集,2009年,ISBN978-4-903042-16-9
② 「クラシンジョウの壕」,沖縄の戦争遺跡,p.52,沖縄県平和祈念資料館編集,2007年,ISBN978-4-903042-14-5
③ クラシンジョウの壕:沖縄県戦争遺跡詳細分布調査(Ⅰ)―南部編―,沖縄県立埋蔵文化財センター調査報告書第5集,pp.88.-89.,2001