北海道:知床硫黄山(知床半島で最も大きな火山)
地形・地質の特徴

火山地形,爆発的噴火,活火山,溶融硫黄,硫黄芝バイオマット

地形と地質の三次元イメージ(産総研・1/20万 シームレス地質図)
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

南西側の「羅臼岳(166m)」から北東側の「知床硫黄山(1562m)」の間にある「知床連山」が,知床半島で最も新しく活動した火山群です。
その中でも,最も最近まで活動したのは知床硫黄山で,知床半島にある第四紀火山で最も大きく,約24万年前から活動を開始した「成層火山」です。
約4000年前には,山体崩壊による岩屑なだれが発生し,現在の知床五湖を形成したことで知られています。
地形の三次元イメージ : 知床硫黄山

「知床硫黄山」と「東岳」の間には,大きな「爆裂火口」が存在します。 硫黄山の北麓を流れる「ウブシノッタ川」の「源頭」は,その火口にまで達しています。
「ガリ侵食」が巨大化したような形態をしていて,源頭から河口までほぼ直線状で,深さ200m弱の大峡谷となっています。
河口には,半径約200mの半円状の「沖積錐(扇状地)」が形成されていて,運ばれてきた土砂の多さが類推されます。
【現場写真】 知床硫黄山

知床硫黄山(1563m)の中腹にある白い部分は,1936(S11)年に「溶融硫黄」を噴出した新噴火口です。
海に直接落ちる滝は「カムイワッカの滝」です。 新噴火口付近の源泉からのお湯が流れ込んでいるため,上流ではいわゆる「湯の川」なのです。

「東岳(1520m)」~「硫黄山(1563m)」間の「爆裂火口(一部)」,それを侵食する「ウブシノッタ川」と,火口の左側のピークの東岳。
【現場写真】 硫黄芝バイオマットとカムイワッカの滝

(左)カムイワッカの滝のすぐ左にある小さな滝。滝の落ち口に付いている緑色の部分は,微生物が作る被膜である「硫黄芝バイオマット」と思われます。
(右)カムイワッカの滝。1936年の噴火で、20万トンもの「溶融硫黄」が流れ込んだと推定されているカムイワッカ川の末端部です。
【記事・引用情報・参考情報】

【記事】

  • 北海道斜里町のウトロ港から知床岬まで往復する,観光船オーロラ号から撮影しました。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】

  • 本ページは,「地質情報ポータルサイト」で公開されていた「日本の地質案内」の当該ページを,最新の知見に基づきバージョンアップしました。