北海道:昭和新山と天然レンガ (日本の地質百選:有珠山と昭和新山)
地質の特徴

火山地形,溶岩円頂丘,デイサイト,石英安山岩,天然レンガ

投稿者による写真とその説明 : 昭和新山

【投稿者:岩松 暉氏】)

  • 昭和新山は有珠山の側火山の一つです。国の特別天然記念物に指定されています。
  • 第二次世界大戦中の1943年12月28日,最初の地震が発生しました。
    その後地震活動が活発になるとともに,畑や集落・鉄道のあったところが隆起し始めました。
    1944年6月には水蒸気爆発が始まり,7月には火砕サージ(火山 爆発に伴って発生する火山灰混じりの高温高速な横殴りの爆風)も発生するなど,火山活動も活発化しました。
    隆起運動も続き,とうとう海抜250mの台地状の山(潜在ドーム)が出来ました。
    やがて,それを突き破って溶岩ドームが出現しました。昭和新山の誕生です。
    1945年9月にやっと成長がやみましたが,その時には海抜407mになっていました。
  • 昭和新山は粘り気の強いデイサイト(石英安山岩)から出来ていますので,ドームが形成されたのです。
    表面が赤茶けて見えるのは,ドーム上昇中,周囲にあった表層土や河原の礫層が熱で焼き付いたためだそうです。
    いわば天然のレンガが貼り付いているようなものです
  • この成長過程を克明にスケッチしたのが地元の郵便局長三松正夫さんです。
    三松さんの描かれた図はミマツダイヤグラムと呼ばれ,世界的に大変有名になりました。
    (本文執筆時)現在,昭和新山の麓には三松正夫記念館があります。 (注 2024年5月13日現在,移転していません。)
投稿者による露頭と岩石写真 : 天然レンガと昭和新山

【写真投稿者:山元 正継氏】

地形の三次元イメージ:昭和新山と有珠岳(大有珠,小有珠)[事務局作成]
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/2.5万 有珠火山地質図第2版 (出典,下記)」を表示します。

「古洞爺火山?」は,新生代第四紀後期更新世(約11万年前頃)に,大量の「流紋岩質」の「大規模火砕流」を噴出した結果,
火山本体の部分が大陥没を起こし,直径が10kmのほぼ円形の「カルデラ」が形成されました。
「有珠山(大有珠,小有珠や有珠新山などの集合体)」や「昭和新山」は,更新世の終わり頃から完新世の始め頃に,
その洞爺カルデラの南壁で活動を開始して「成層火山」を形成しました。
その後しばらく休止の後,西暦1663年から活動を再開して現在に至るという「活火山」です。
【事務局による地上写真】 昭和新山と有珠山

「有珠山頂駅」付近からの「昭和新山」です。 山腹から立ち上る噴気が確認できます。 右奥,雪の山は「オロフレ山(1231m)」です。

有珠山火口原展望台からの「有珠山火口原」です。 数か所からの噴気が写っています。 背景は太平洋です。
【記事,引用情報と参考情報】

【記事】

  • 有珠山は2万年近く前から噴火し続けています。
  • 1944年に,有珠火山の北東側の畑が突然隆起し始め,最終的に標高250mの「昭和新山」となりました。
    「溶岩円頂丘(ドーム)」と呼ばれる噴火形態で,同様の活動では「雲仙普賢岳」の「平成新山」が有名です。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】

  • 岩松氏投稿の「昭和新山」と山元氏投稿の「昭和新山の天然レンガ」は,個別に掲載していましたが,関連する内容のため合同掲載としました。
  • 更に,「日本の地質百選:有珠山と昭和新山」を「日本の地質案内:昭和新山と天然レンガ」に統合し,事務局が「三次元地形図」,「三次元地質図」や若干の記事などを追加しました。