鹿児島県:桜島火山の火山地形
  (日本の地質百選:桜島)
地形の特徴

活火山,火山地形,噴火口,溶岩流,火砕流,ガリー侵食

地形と地質の三次元イメージ : 南上空からの桜島火山
三次元地形図上でマウスクリックすると「2.5万分の1 八丈島火山地質図(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

2.5万分の1 『有珠火山地質図』の主な凡例は,ここをクリックしてください。 別ウィンドウで表示します。
  • 1914年(大正3年)1月12日に始まった「桜島火山南岳山腹」の噴火によって,大量の溶岩流(大正溶岩:T1,T2)・火砕流,軽石・火山灰などが噴出し,桜島は大隅半島と地続きになりました。
    資料によると,火口は山頂火口を挟んで東西に複数でき,西側の火口から噴出された溶岩(T1)は,フェリーターミナル近くの海岸まで流れ下りました。
  • 2025年6月時点の気象庁の噴火情報によると,最近は「南岳頂上火口」での噴火が頻発しています。
  • 頂上火口の噴火により,火口内の形状が劇的に変化しているようで,火口内の標高データが場所によって大きく変化しています。

気象庁の観測によると,2010年は南岳頂上火口ではなく,「昭和火口」で噴火が繰り返されました。
3月は135回,4月は105回の爆発的噴火が起きていたそうです。 この噴火は,その中の一つでした。
地形と地質の三次元イメージ : 西上空からの桜島火山
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  • 桜島港(フェリーターミナル)の右側の台地は,南岳の山腹火口から流れ下った「大正溶岩・Ⅰ期溶岩(T1)」です。
    溶岩は「輝石安山岩」とのことですが,海岸にまでまで達し先端は海中に没しているので,粘性は低かったろうと想像しています。
  • 大正溶岩(T1)と同時期に噴出した溶結火砕物(P1)の表面には,しわ状の「流れた跡」が残っています。 溶岩などが新しいという証拠かもしれません。
  • 北岳の西側山麓にある「北岳側火口」の一つである「溶岩円頂丘(Khr)」の頂上に湯之平展望所が設けられています。
    この展望所からは,北岳を侵食する雨と流水(川水)のパワーを,以下のように観察することができます。

北岳の真西に位置する「湯之平展望所」から撮影しました。 角(つの)のように見えるのは,北岳火口の西に続く「1046mピーク」です。
随分と開析(侵食)が進んでいます。 溶岩あるいは火砕岩の山であっても,時間をかけると雨によって崩れてしまう,という見本です。
地形と地質の三次元イメージ : 北上空からの桜島火山
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  • 桜島の北側は,概ね「北岳」から噴出した溶岩や火砕物で構成されています。
    その代表例が「北岳主成層火山体(K)」と「武火砕流堆積物(Kt)」と側火口からの「春田山溶岩(Khr)」と「新期北岳溶岩流(Kl)」です。
  • ところが,「安永噴火(1779~1782年)」に伴う「溶結火砕物(Ap)」と「安永溶岩(A)」は,「新期南岳噴出物」であるにも関わらず,地図上では北岳の東斜面から噴出した,と読み取れます。
    これは,北岳火山と南岳火山の違いは,地図上での違いではなく,活動した年代での違いであると言うことを示していると考えるべきでしょう。
  • 北岳火山由来の溶岩は,現在の海岸線ではなく山麓の中腹までしか流下しなかったように思われます。
地形と地質の三次元イメージ : 東上空からの桜島火山
三次元地形図上でマウスクリックすると「2.5万分の1 八丈島火山地質図(出典,下記)」を表示します。 ダブルクリックで元に戻ります。

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  • 桜島の東山麓には,広大な「火山麓扇状地(f)」が広がっており,火山地質図では,この堆積物が「昭和溶岩(S)」を覆っているように描かれています。
  • 大雨の際に崩れ落ちたり,土石流となって押し出されたりした土砂が,三角形を呈した凹地に溜った結果,扇状地ができたのだろうと想像します。
  • 桜島の東海岸は,山頂火口や側火口からの溶岩流で埋め尽くされています。
    また,天平宝字噴火噴出物(764~766年)では,大量の「長崎鼻溶岩」が錦江湾に沈んだことがわかっており,地質図にはその範囲が明示されています。

黒神川の道路橋で撮影しました。 砂防工事が終了して間が無かったようで,「砂防堰堤」越しに火山麓扇状地がわずかに写っています。
最近は,植生繁茂により堰堤も見ることができません。 また,昭和火口からの噴煙で,南岳の山頂は見えませんでした。
【記事,引用情報と参考情報】 

【記事】

  • 近代日本で,最も規模の大きな噴火を繰り返す「桜島火山」。 近くに,県庁所在地が存在し,度々の被害にも屈せずに市民生活が続けられています。
  • 噴火による災害よりも,火山による恵の方が大きい,からなのでしょう。 ひとえに,壊滅的な爆発噴火の無いことを,願うばかりです。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】

  • 本ページは,旧GUPIのウェブサイト「地質情報ポータルサイト」で公開されていた「日本の地質百選:桜島」を「日本の地形千景プラス:桜島火山の火山地形」に統合し,事務局が「三次元地形図」,「三次元地質図」や若干の記事などを追加してリニューアルしました。