青森県・秋田県:十和田カルデラと中湖カルデラ
  (日本の地質百選:十和田湖・奥入瀬渓谷)
地形の特徴

・火山地形,二重カルデラ,カルデラ湖,後カルデラ,峡谷,湿原

地形と地質の三次元イメージ : 十和田カルデラ全景
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

「十和田カルデラ」は,二重カルデラです。 凡そ20万年前に火山活動が始まった当時は,比較的小規模の活動だったようです。
約4万年前から約1.3万年の間は,現在の十和田カルデラの周辺で比較的大規模な噴火が続き,最後の段階で十和田カルデラが形成されました。
その直後から「後カルデラ火山活動」が始まり,カルデラ内の南部で数回の噴火が起きて成層火山(中央火口丘にしては規模が大きい)ができました。
約5400年前の噴火によって,成層火山の頂部に大きな火口(中湖カルデラ)ができました。 結果,「十和田カルデラ」との境が無くなってしまいました。
地形の三次元イメージ : 中湖カルデラ

約5400年前の噴火でできた「中湖カルデラ(火口)」です。 北側の壁が吹き飛んだのでしょうか,水深図によると北に向かう谷地形となっています。
元々の「十和田カルデラ(湖)」の水深は,最深でも100mぐらいなので,中湖カルデラの-320mは「マグマ水蒸気爆発」によるものと考えられます。
平安時代の915年(延喜14年)に噴火したことが記録に残っているので,最終の火山地形はこの時に形成されたと思われます。
地形の三次元イメージ : 河川の浸食(奥入瀬渓谷,浅瀬石川上流)

十和田湖(カルデラ湖)から流出する唯一の河川の「奥入瀬川」の最上流部,通称「奥入瀬渓谷」は,
長期間の下刻侵食によって形成される「V字谷」ではなく,「函型」をしています。 このため,
十和田湖の水嵩によって火口壁の最も弱い部分が決壊し,その時の膨大な水量による洪水で,短時間のうちに渓谷が作られた,と考えられています。

十和田カルデラの北西部に位置する「善光寺平」付近です。 大規模火砕流(溶結凝灰岩)に覆われています。
奥入瀬渓谷と条件はほぼ同じと思われますが,こちらは河川による「谷頭侵食」の手が,徐々に外輪山へと延びている状況です。
「甚右エ門沢」も「寒川(ひやっこがわ)」も「V字谷」のようなので,これらの谷と奥入瀬渓谷の成因は違うように思えます。
【空撮写真】 十和田湖

札幌から東京・羽田に向かう飛行機の右窓から撮影しました。 午後なので逆光です。
【引用情報と参考情報】

【引用情報】
 ・国土地理院 > 地理院タイル(地形図,5m・10mDEM)  国土地理院利用規約
 ・産業技術総合研究所・地質調査総合センター > 20万分の1 シームレス地質図

【参考情報】
 ・弘前大学理工学部 > 青森県の火山 > 十和田
 ・気象庁 > 十和田

【お断り】
 ・本ページは,旧GUPIのウェブサイト「地質情報ポータルサイト」で公開されていた「日本の地質百選:十和田湖・奥入瀬渓谷」と「日本の地形千景+α:
  十和田カルデラと中湖カルデラ」を統合したものです。