鹿児島県:大隅諸島の火山地形 [黒島,薩摩硫黄島(鬼界ヶ島),竹島]
  (日本の地質百選:薩摩硫黄島)
地形の特徴

活火山,火山地形,噴火口,溶岩流,隆起波食棚

案内用三次元イメージ : 大隅諸島

「大隅諸島」は,全て「鹿児島県三島村」に属しています。 全てが有人島ですが,三島村役場は鹿児島市に設置されています。
交通手段のうちフェリーの運行は週に4便です。 鹿児島~竹島間が3時間,竹島~黒間(片泊港)が2時間10分です。
火山体的には,硫黄島と竹島は「鬼界カルデラ」の外輪山を構成していますが,黒島はそれより古い時代の火山島です。
地形の三次元イメージ・空中写真:黒島

「黒島」は,大隅諸島の中で最も大きな有人島です。 しかし,集落は「片泊港」と「大里港」の周囲にしか無く,山麓は放牧場としか使われていません。
新生代第四紀更新世(約150万年前頃)に活動した火山です。 風雨による浸食が激しく,元々の火山体としての形は失われつつあります。

大隅諸島では,硫黄島だけが注目されていて,黒島の情報がほとんどありません。
更新世の活動よりも新しい火山である,との断片的な情報はあります。 しかし,学会等の認定などは不明です。
「櫓岳」の北側に古い崩壊の跡らしき地形が存在します。
崩壊地から移動してきた岩屑(移動土塊)は,赤鼻の手前の丘陵(放牧地)に堆積したようです(確証はありません)。
また,「花立山」の北面も,崩壊あるいは地すべりが発生しているように思えます。

那覇空港から福岡空港に向かう飛行機で撮影しました。 崩壊跡では,土壌化が進んでいるらしく,放牧場になっています。
日本の地質百選・地形の三次元イメージ・空中写真 : 薩摩硫黄島(鬼界ヶ島)

「薩摩硫黄島」と「竹島」は,「鬼界カルデラ」の縁(カルデラ縁)に位置しています。
鬼界カルデラは海底にあって,この二つの島がかろうじて海上に出ているのです。
鬼界カルデラは,6300年BPに大規模噴火(いわゆる,鬼界-アカホヤ噴火)を起こし,極めて大量の火砕流(竹島火砕流)を噴出しました。
海上を走って薩摩半島に達したことがわかっています。
また,火砕流起源の「アカホヤ火山灰」は,九州のみならず関東までも達し,現在では,各地の地層年代を知る重要な「鍵層:キーテフラ」となっています。

「硫黄岳」は,流紋岩や玄武岩を主体とする「複式火山」です。 鬼界カルデラから見ると「中央火口丘」になります。
山頂には直径0.5km弱の噴火口があって,近年まで「硫黄」と「硅石」の採取が行われていました(火口の中に入れたのです)。
「稲村岳」では,複数回の噴火の証拠が見つかっているため,玄武岩質の成層火山と評価されています。

那覇空港から福岡空港に向かう飛行機で撮影しました。 変色域は,酸性温泉である東温泉の温泉水が,海水との反応により発生したものです。
地形の三次元イメージ・空中写真 : 竹島

「竹島」も,鬼界カルデラの縁が海上に出たものです。 「オンボ崎」~「東風泊」~「アビ山」~「エーメ立神近く」が,概略のカルデラ縁です。
「クツ瀬」近くの断崖を「海食崖」としましたが,元々はカルデラ形成時にできた絶壁が,波によってより侵食されたものでしょう。

「竹島」の地表の大部分は,アカホヤ噴火の際に噴出された「火砕流」による堆積物です。
「マゴメ山」の北側,「高平山」の北側と東側は,鉈で断ち割られたようにほぼ垂直の断崖絶壁となっています。
二つの火山は,鬼界カルデラが形成される遙か昔に活動を停止した火山です。 鬼界カルデラの形成(陥没)と同時に,山体が半分以上失ってしまったと想像します。
【記事,引用情報と参考情報】

【記事】

  • 「鹿児島県三島村」も「十島村」と同じく,鹿児島市に村役場が設置されています。
    注 「沖縄県竹富町は,石垣市に役場が設置されています。。
  • 「鬼界カルデラ」については,下記資料を参照してください。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】

  • 本ページは,旧GUPIのウェブサイト「地質情報ポータルサイト」で公開されていた「日本の地質百選:薩摩硫黄島」と「日本の地形千景プラス:大隅諸島の火山地形」を統合したものです。
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