ボーリング柱状図に「測地系」の記載欄が無いために起こりうる問題
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事例その1:

出典:国土地盤情報検索サイト-KuniJiban-
(左)ボーリングデータ(部分)  (中)柱状図(部分)   (右)独自に作図した地図

① 問題点:測量法の改定により,2002年以降に実施された調査ボーリングの位置座標は,新測地系を使用することになった。
 しかるに,現在使用されている柱状図には「測地系の記入欄が無い」ため,ここに例示するような問題が発生する可能性がある。
 図(左)のボーリングデータによると,2007年に実施されているにも係わらず「0=旧日本測地系」が使われている。
 二次利用者が測地系の記載の無い本柱状図(中)しか参照しない場合,掘削時期(2007年)からみて新測地系であろうと推測して,図(右)の海岸付近の場所で掘削したと考えことも十分あり得る。

② 考察等:本事例のような誤認を避けるためには,必ずボーリング交換用データ(XML)を使用して,電子地図上に孔口位置をプロットすることが必要である。

事例その2:

出典:国土地盤情報検索サイト-KuniJiban-
(左)ボーリングの位置(部分)    (右)電子柱状図に記載されている位置情報:双方同じ値だが,測地系が違う。

① 問題点:測量法の改定により,2002年以降に実施された調査ボーリングの位置座標は,新測地系を使用することになった。
 しかるに,現在使用されている柱状図には「測地系の記入欄が無い」ため,ここに例示するような問題が発生する可能性がある。
 図に示すように,同じ調査件名であるが,各々14本という二つのグループが存在している。
 ファイル名が違うので,異なったボーリングかと思いきや,ここに例示したように,同じボーリングであった。
 しかも,一方の測地系は「旧日本測地系」であり,他方の測地系は「新世界測地系」であった。 

② 考察等:印刷されたボーリング柱状図を入手した時は,必ず電子地図上にプロットして,その位置が正しいかどうかを確認すること。