ボーリングの位置が地形や構造物の形状と合っていないという事例
CaseA_07

 (左)国土地盤情報検索サイト-KuniJiban- (中)背景図「国土画像情報・第1期」。(右)座標値の修正処理前(赤)と後(青)。 
KuniJibanに登録されている阪神高速道路(高架橋)の掘削位置がおかしい。 東に150mほどずれています。

【問題点】

  • 国土地盤情報検索サイト-KuniJiban-で大阪府内を閲覧していたら,図(A)のように,阪神高速道路の調査ボーリング位置(孔口位置)が,高速道路から東に100m~150mずれている場所が多いことに気がつきました。 100箇所は優に超えているようです。
  • 図(B)は,ボーリングデータをダウンロードして,事務局で「国土画像情報・第1期」を背景図として作図した結果ですが,図(A)と全く同様でした。
  • 路線調査は道路予定地で行うのが原則と思います。 様々な事情で,近くの民地などで実施されることもあるでしをうが,100m超が続くことはあり得ないと思われます。
  • 事務局では,報告書原本を参照してはいません。 従って,KuniJibanで公開されている位置の方が正しい,と言う可能性もあり得ます。

【試行・検討】

  • 図(C)は,試しに座標値の経度に「-0.0016゜」を加え,緯度に「+0.00025゜」を加えてみた結果です。 概ね,高速道路に重なったではありませんか。
  • シフトの量が正しいとは限らないので,参考情報程度に留めていただきたい。
  • 原因は不明ですが,事務局では「旧測地系から新測地系への変換処理ソフトにバグがあった可能性」を疑っています。

【提言】

  • KuniJiban の方が正しいかもしれません。 例示した柱状図を二次利用される場合には,利用者自身で位置情報(緯度・経度)の真偽を確かめてください。

【最新の状況】

  • 2024年10月中旬現在,従前どおり公開されています。

出典:国土地盤情報検索サイト-KuniJiban-。 図(D): 阪神高速11号池田線も東にずれているようだ。 図(E): 同守口線も同様である。  
CaseA_08

 出典:国土地盤情報検索サイト-KuniJiban-。 。

【問題点】

  • 図(A): 阪神高速道路大阪湾岸線のボーリング情報を確認中,橋梁基礎のための調査と思えるボーリングの位置が,建設された橋梁基礎の位置から離れたところにあるケースを複数発見しました。

【試行・検討】

  • 図(B),図(C): 孔口標高が「+2.9m」であるのに対し,地図上に示されたマーカーは「大阪湾上」にプロットされました。
  • これより,位置座標に関する何らかのエラーが発生している,という疑いを持つに至りました。

【提言】

  • KuniJiban の方が正しいかもしれません。 例示した柱状図を二次利用される場合には,利用者自身で位置情報(緯度・経度)の真偽を確かめてください。

【最新の状況】

  • 2024年10月中旬現在,従前どおり公開されています。
CaseA_09

  出典:(公社)地盤工学会九州支部『九州地盤情報共有データベース2005』  掘削位置の配列が明らかにおかしいと思われるが,・・・。

【問題点】

  • 図(A): 鹿児島湾内のボーリング情報を確認中,ボーリング孔口の位置と構造物の位置が微妙にずれているケースを発見しました。

【試行・検討】

  • 図(B): 護岸の位置情報を参照して,掘削位置の座標値を独自に補正してみた結果です。
  • 図(C): 補正した掘削位置を「国土画像情報(第1期)」上にプロットしてみました。 補正後の方が,正しい位置に近いように思われます。
  • 補正量は約170mであって,測地系の変更に伴うシフト量(約400m)より小さいため,段順に測地系を間違えたのでは無さそうです。
  • ボーリング位置が間違っているのでは?という疑問がありますが,原本を精査できないために,真偽の判定は無理でした。

【提言】

  • 『九州地盤情報共有データベース2005』の情報が正しい場合もありうるので,例示した柱状図を二次利用される場合には,利用者自身で位置情報(緯度・経度)の真偽を確かめてください。

【最新の状況】

  • 2024年10月中旬現在,『九州地盤情報共有データベース2018』は,『同2005』と同じ位置情報が採用されています。