希望ヶ丘公園の壕(No.43)那覇市牧志3丁目
概略位置図

マーカーは,坑口の概略位置を示しています
現場写真 : 希望ヶ丘公園の壕

希望ヶ丘公園のほぼ中心部にあるガマ(壕)の「坑口:A(下記)」です。 植栽で,あまり目立ちません。 撮影:2016年4月。
写真にノラ?猫が2匹写っています。 両方ともチャトラのようですね。
記事
  • 牧志の公設市場に繋がるアーケード「平和通り」の中程,東に折れる小道に,かつて地元の人しか行かなかった?「花笠食堂」があります。
  • その先はなにやら薄暗い木立に覆われた小高い丘になりますが,実はその丘全体が「希望ヶ丘公園」なのです。
  • 希望ヶ丘はすべて琉球石灰岩で構成されており,前述の小道から公園に入って左(北)に向かうと,御嶽(拝所)に行き着きます。 これが本壕の「坑口:A」です。
  • 丘の反対側は,新しくなった「神里原通り」に面しており,その斜面に金網で覆われた「坑口B」があります。 この二つは中で繋がっており,共に「希望ヶ丘公園の壕」と呼ばれています。
  • 壕とは直接関係がありませんが,この公園の印象は「猫」の多さが第一です。
現場写真 : 希望ヶ丘公園の壕:坑口A

左は2008年2月の撮影で,坑口に鉄製の格子や柵が設置されていましたが,2016年11月になると目の細かな金網へと変わっていました。
人が入れるような扉も設置されているので,御嶽(うたき)はガマの中にあるようです。

坑口Aの隙間から撮した御嶽の内部です。 写真右奥の天井(天盤)は,かなりの規模で崩壊しています。
  ほぼ水平に地層の境界があり,上は「琉球石灰岩」で,下は「島尻層群泥岩(クチャ)」と思われます。 
崩壊しているのは,クチャの部分です。 軟らかいので,この地層を「御嶽」あるいは「地下壕」のために掘削したのでしょう。
注 右側の写真の「※」は例のノラ猫です。 いったいどこから入り込んだのでしょうか。 撮影:2016年11月・2018年5月。
現場写真 : 希望ヶ丘公園の壕:坑口B

左は,「神里原通り」の拡幅工事の際に見つかったと言われている「坑口B」です。 石灰岩の鍾乳洞であることがわかります。
右は道路工事が終わった後で,目の細かな金網で防護されています。 扉が設置されているので,入壕は可能のようですね。
なお,この坑口Bは「坑口A」と繋がっている,という情報があります。 撮影:2008年2月,2014年6月。

「坑口B」から内部を撮影しました。 ゴミ類とともに大小の礫が散乱しています。
これは,大雨が降った時に道路に溢れた水が壕内に流れ込み,細かな泥や砂とともに奥に流れ去ったことを意味しています。
その大量の水はどこに行ってしまったのでしょうか。 地質学的に大いに興味が湧きます。  撮影:2008年02月。
引用文献[1フィート運動の会 活動報告]

調査日(調査番号):1992年10月8日(No.43)

  • 様 子 : 奥行約50メートルの自然洞窟。 入口3カ所の内1カ所は拝所。 土砂が堆積し天井までの高さ約1メートル。
  • 形 態 : 自然壕
  • 使用者 : 民間
  • 遺 品 : なし
  • 土 質 : 琉球石灰岩
引用情報・関連情報

引用情報

関連情報

  1. 那覇市立教育研究所の公開資料(旧那覇地区 No.5)